Ethereum’s DevCon2 に参加しました【中国上海】

2016年9月中旬に中国上海の外灘(バンド)で開催された Devcon2(Ethereum’s DevoCon2)に参加しました。同カンファレンスは6日間続く国際ブロックチェーン週間の前半にあたり、主催は Ethereum Faundation および Wanxiang Blockchain Labs 他。世界各国から Ethereum(イサリウム)の開発者や関係者が集まる同カンファレンスは昨年英国ロンドンに続き、今年は中国上海で2回目(厳密には3回目)。会場は約700-800人程の参加者で占められ、中国系を含めたアジアからの参加者は大雑把に半数程。日本からの参加者は20-30人程と思われました。

カンファレンス会場に到着後はじめて聞いたのですが、何者かによって開催に合わせて、事前に仕込まれた時限式バグに加えて、Ethereum(イサリアム)ノードが大規模な攻撃を被っている状況にあったとのこと。関係者には波乱気味のスタートになってしまった様子。

カンファレンスは午前9時に開始して午後5時に終了。有名ホテル「ハイアット・ザ・バンド」が会場であり、毎日のようにスタートアップ企業が交流パーティを企画して深夜に及ぶこともありました。
以下、大雑把な Devcon2(Ethereum’s DevoCon2)の流れになります。

日程 テーマ 内容
Devcon2 第1日 Research 導入的なパネルディスカッションと、Ethereum Faundation 開発リーダーである Vitalik 氏の基本的なセッションからはじまり、将来的に Ethereum の多様な分野への応用および発展を感じるセッションが続きまし
Devcon2 第2日 Development
& Security
様々な開発ツールの紹介や発展、セキュリティ視点での技術寄りの話題が多かったと思います。
Devcon2 第3日 Dapps &
Ecosystem
Ethereum を利用して実現する開発済あるいは開発予定のプロジェクトやアプリの話。あるいは他仮想通貨や広範囲なエコシステムのお話。
国際ブロックチェーン週間は継続しますが、Ethereum’s Devcon2 は3日まで。4日目は「Demo Day (Blockchain Startup Presentations and Awards)」。5日目は「2nd Global Blockchain Summit (Blockchain Protocols and Eco-system)」、6日目は「2nd Global Blockchain Summit (Blockchain Applications in Finance and Future Outlook)」。

盛り沢山のセッションが続く合間に、休憩は1日に3回程。昼食の休憩時はブッフェ形式で高級中華料理が食べ放題、それ以外の休憩も飲み物やフルーツ、お菓子などが準備されていました。参加費用は決して低料金とは言えませんが、他参加者とコミュニケーションがとりやすいように配慮されており、時々会場の Wifi が上限数に達して接続できなかったことを除いては満足感がありました。

カンファレンス参加への費用対効果みたいな指摘もあると思ったので、参考に整理しました。私個人は行きに飛行機に乗り遅れるという、痛恨のミスを犯してしまい、中国渡航を断念しようか...空港で本当に迷いました。ただ昨年の英国ロンドンでの開催を考えると、中国上海は東京から飛行機で3時間程。滅多に無い機会と考え直して参加しています。

カンファレンス参加費用 Ethereum’s Devcon2 一般参加費 US$ 1200、早期申込み US$ 900(3日間)。DEMO DAY 等でピッチする場合には、事前審査の上、無料招待枠があった様子。またスタートアップ企業および学生は半額以下と聞きました。
旅費(航空券) 航空会社や時期・日程により中国上海までは通常3-6万円程。LCC(格安航空券)で最安値で2.5万円程からあり。
中国上海での宿泊費 平均的なビジネスホテルは3千円から6千円で選択豊富。個人で宿泊するか、複数人でシェアするか。AirBnB などの利用は1泊1500円程からありますが、事前確保は必須。

良きも悪きも、基本的には「Ethereum 開発者のお祭り」。仮に開発者で無いとしても Ethereum(イサリアム)の基礎技術や開発への理解がないと、何を言っているのかサッパリで寂しい感覚があると他参加者と雑談しました。また必須とは思いませんが、英語によるコミュニケーション能力が高いほど有利なため、今更ながら少しでも努力して改善したいと考えています。

現状、仮想通貨の中で Ethereum が特別ユニークなのか分かりません。ただ世界各国から Ethereum(イサリアム)に興味がある人々および開発者が一同に集まり、その技術面にフォーカスをあてつつ自由にその応用や発展、未来の話ができるようなカンファレンスが定期的に開催され、それを支えるコミュニティが育ちつつあることが頼もしく感じました。

またカンファレンス以外のことも含めた備考録を以下に列挙しました。

  • カンファレンス前後は、Ethereum(イサリアム)Tシャツを着た外出で何かあるかも。背中に張り紙していた人あり。
  • カンファレンス会場だった有名ホテルには関係者あるいは講演者が多く宿泊。大小の交流パーティあり。
  • 上海の喫茶店でのネット接続はSNS認証が必要。SIMフリーのスマートフォンに買い換えるべき。
  • 中国内でのアクセス制限を避け多くの人がVPN接続。基本不安定。

参照リンク